12日目の朝、体調は完全とは言えないが良くなっていて一安心。九州の旅も折り返しを過ぎて、残りの距離と日程から逆算すると、あと1週間から10日程で終わってしまうだろう。
今日の工程は、鹿児島市内→桜島→野営場で設営と荷下ろし→佐多岬→野営場に帰る。
軽めに飯を済ませ、パッキングしたらいざ出発。フェリーで桜島に渡るためまずは乗り場へ。桜島フェリーは便数が多く所要時間15分、運賃は大人一人と、バイク125cc未満で380円と安く利用しやすい。時間短縮にもなるので使わない手はなく、九州ツーリングではやっぱりフェリーは便利だ。
桜島
上陸すると今までの景色とはがらりと変わって、火山特有の地形と景色になる。島を一周するため国道沿いに走る、前にいる車が道の脇にある何かを巻き上げて走っているのに気づく、さっきから息もしずらいし。
バイクを止めてみると、シールドに何やら灰色の粉が付いている。
これは間違いなく火山灰だ。ちょっと走るだけでこんなになってしまうとは…
桜島にはいくつか展望所があり、そのうちの有村溶岩展望所に寄ることに。ここはからは迫力のある昭和火口や、流れ出た溶岩が近い距離で見れ、荒々しくも雄大な自然の姿が一望できる素晴らしい場所だ。
地面には見たことのない砂が落ちている。さらさらして、触ると灰色に手が汚れる。
展望所を出てルートは国道から県道に変わる。県道は細く、走っていて景色はあまりよくない。観光スポットは溶岩で埋没した鳥居と、その先にある展望所で他には見当たらなかった。絶対に一周したい人以外は途中で引き返してもいいかもしれない。
しばらく進むと、フェリー乗り場に着いたどうやら一周したみたいで、ここから次の行先のキャンプ場に向かう。結果的に島を1周半する形になった、桜島は鹿児島のシンボルで一度は足を運ぶべきだと思う。ただ、火山灰が厄介だが…
国道を鹿児島湾沿いに行き、垂水市に入る。道路わきをせっせと掃除する方が目に付いた、片付けているのは火山灰で相当な量。近くには袋に入った灰が山積みになっている。降灰する地域ならではの光景でなかなか片付けが大変そう。
錦江町
錦江(きんこう)湾を眺めつつ南下、今日の野営地は錦江町の神川キャンプ場だ。7.8月は有料で、サイトは芝生でペグ打ちは楽。炊事棟や東屋、露天のBBQコンロにトイレと設備は相当良い。近くにコンビニと道の駅、町役場方向に行けばスーパーと、買い出しには困らない。
ここには2泊する、明日はどうらや雨模様みたいだ。設営場所はいろいろ考慮して炊事場と道路の間にした。屋根付きの東屋もありかと思ったが、こっちは風を遮る物がなく辞めた。サクッと設営し、荷物を置いて佐多岬へ。
いつもの事だが自分以外はだれもいない、常にソロキャンである。
佐多岬
キャンプ場から1時間ぐらいの距離にある佐多岬は、鹿児島県の観光名所で2輪4輪問わず多くの人が訪れる。
ここが岬に続く道、進むとまず見かけない植物たちを目にする。
これらは亜熱帯植物で大隈半島に広く自生している。異国の地に足を踏み入れたかのような気分になる。
道を走っていると、野生の猿を見かけてびっくりする。こんな所にもサルがいるとは…
ある程度の所まで行くと、駐車場に誘導された。現在工事中でバイク車はここまで、これから先は用意された乗り合いのバス(ハイエースみたいな車だったけど)で向かうことになっていると説明を受けた。
ここでバスを一旦下車、定期的に巡回しているので置いてきぼりにされることはないようだ。ここからは徒歩に変わる。10分ぐらい歩くと、ガジュマルのある展望台に到着。
ガジュマルがちらりと映る。沖縄にしかないと思っていたがここにもあるんだな。
この先にある景色はなんと良いことか、やはりここに来てよかった。海は真っ青で、佐多岬灯台が見えてまさに絶景。ここからは、屋久島や種子島は見えないが満足はできる。ただ一番残念なのは、工事中でここから先は行けないという事か。完成はまだ先の話で、これはもう一度来なければならない。
またまた、次の課題が増えてしまったが良しとするしかない。次は完全に完成した時に行こう。
スポットをすべて巡り終え、明日の備えで食料品を買い込む。それが終われば、疲れを癒すための風呂だ。キャンプ場から10分程度の所に、トロピカルガーデンかみかわで大人一人300円とリーズナブルな価格で旅人にはうれしい。地元の人も利用する所で、内風呂1つと洗い場がいくつかあるだけのシンプルな設備だったけどこれで十分。
今日も良い一日だった、明日は雨で残念だがしょうがない。天候はどうしようもない、明日の事は明日考えるか…