バイクで一人旅 九州編 その8

 今日で11日目、朝起きると何かのどに違和感があるのに気付いたが気にせず朝食をとる。テントをたたんで、パッキングを済ますともう8時過ぎ。管理人さんが来るかと少し待っていたが、時間も迫って来ているのでそろそろ出発する。

 

荷物は満載、減らしたいけど難しい

 

 しばらく足止めを食らって、バイクで走りたくてしょうがない。この日は鹿児島県を南下する、この野営場でいろんな人と出会い、話をしたり仲良くなったりと、ここにきて本当に良かったと思う。九州に来たらまたここに泊まりたい。

国道267号線

 

 この道は野営場と伊佐市街地をつなぐ道。

 両脇に田んぼ、奥には山が見える。景観が良くて気に入ってる。

 

 

 

 

 

 国道をまずは鹿児島市方面に進む。霧島連山を見たいが、今日のキャンプ場までの距離と、ほかにじっくり見たい所があるので、いつもの「次回の課題」にしておく。

 国道10号線に移り鹿児島湾沿いに走行、ここからの湾と遠くに見える桜島の景観は最高だ。

結構ガスってる

 

 

 鹿児島市を抜けたあたりから、何か体調が悪いすごくしんどい。これは確実に風邪をひいている。昨日は寒くもなく快適だったのに何故だろう、しかもこんな時に…

 しかし、止まることは許されないからこのまま南九州市へ。




知覧特攻平和会館

 今日の最大の目的はここだ。到着して体調がさらに悪くなり完璧に熱が出ているけど気力を振り絞って見学をすることに。知っている方も多いと思うがここには特攻隊員の直筆の遺書や遺影、資料が展示されている。他、館内には零戦も展示され貴重な姿を見ることができる。

 内部は非常に広くて、展示数も多く隅々まで見ようとすると丸一日はかかる。初めに目にするのは、零式戦闘機でコクピットから後ろはなく、状態は良くない。そのせいか、かなり小さい印象を受ける。

 次は四式戦闘機疾風(はやて)展示室へ。こちらは状態がかなり良く今でも飛べそうなぐらいだ。日本に一機しかなく貴重な姿を見れるのはここだけだ。愛南町で見た紫電改と、大きさや見た目は大差なく詳しい人が見ないと、区別はつかないと思う。

 最後は遺品室へ、平和会館のメインの展示となる直筆の遺書、隊員の写真がある。達筆で書かれて読めないものもある、父親や母親に兄弟たちに宛てたこの手紙をどんな気持ちで書いていたか考えると心が痛い。まだ若く、生きて人生を楽しみたかったはず、しかし任務で身を捧げることとなって非常に無念だっただろう。

 

 この展示室には一式戦闘機「隼」が展示されているが、この機体は映像撮影用に作られたレプリカで、本物ではなくちょっと残念。本物の現存機は日本にはない。しかし、精巧に作られているので見劣りはしない、細かいところまで見れて参考になる。

 

枕崎へ

 まだ見学したい気持ちはあるけど、そろそろ体力の限界みたいでここらで終えることにした。館外には灯篭が無数に並び何とも言えない雰囲気を出している、やはりここは特別な場所なんだなと改めて思う。行ったことのない方は、ここに一度訪れること強く勧める。

 キャンプ場を目指し枕崎市内に向かう、知覧からさほど距離はなく体調が悪い今は助かる。とは言っても1時間以上はかかる、県道27から34へ移る。この道はツーリングにはかなりいい道だ、開けていて景色が良い。

 

枕崎駅前

 

 市内に入りスーパーなど探している時に見つけたこの看板。本州最南端の駅とは全く知らなかった。これは、写真に収めなくては。

 

 

 

 

枕崎駅

 

 スーパーで買い出しを済ませ、そそくさとキャンプ場に行く。今日の野営地は火の神キャンプ場。ここは無料で乗り入れできないのがかなり不便だが、サイト目の前は海でロケーションは最高。波が打ち寄せる音が心地いい。サイトは芝生で広さはなく、平たんな場所も限られている、キャパは少なめか。炊事場は屋根付きで、トイレは道路を渡った反対側にある。これは少々使いにくいけど、掃除もされて清潔だ。

この日は夕陽を拝む事はできなかった

 

 この近くの東シナ海を一望できる展望台は素晴らしい景色が見える、海しかないけどそれがまた良い。ちなみにここから先200kmの地点で戦艦大和が沈没している。鎮魂のための碑が立ててある。劣勢の中よく戦ったと思う、どうか安やかに眠ってほしい。

日之神公園平和記念展望台

 

 今日はこれで観光はおしまいにする、さすがに疲れたしんどい。風邪が長引くと、今後の予定に影響するのでさっさと寝る。体調はダメだったけど充実した1日だった。