アドレスV125駆動系交換整備作業
駆動系分解
手順はプーリーケースカバーを外したところからスタートします。
最初はプーリーと、クラッチアウターのナットを特殊工具を使って外します。
ここで使っている回り止め用の特殊工具は自作です。作れない方は、市販のホルダーを使ってください。
ナットが取れたらプーリーとクラッチを引き抜く。
前回の交換からあちこち走行して距離は21000km、まずはプーリーボスを見てみよう。これはまだ一度も交換してなく距離は3万を軽く超えて今の状態にある。
こすれた跡はあるけど、爪が引っかかるような段付きはないため今回も交換しない。あと何万キロ使えるかな?
そして、ウエイトローラーはどうかというと思ったより摩耗が少ない。
これはちょっとびっくり、普通ならもっと削れて回転しない形になっていることが多くてそうなってもおかしくないのに純正ローラーの耐久性は相当高い。
スライドピースもわずかな摩耗で済んでいる。
最後にVベルト、幅は18.84mm。摩耗限度は18.9mmなので距離に応じた摩耗かと思う。
ほかに、割けたり割れたりの異常は見られなかった。
交換と組み立て Vベルト ウエイトローラーを組む
交換する部品は、Vベルト、ウエイトローラー、スライドピースの3点。
プーリーの組み立てから始め、ウエイトローラーにモリブデングリスを薄く塗る。たっぷりつけても遠心力で飛び散るだけなので薄くで良い。
ウエイトローラーには向きがあります。プーリーが回転する方向に樹脂の無い面を持ってきます。
スライドピースをランププレートへ装着。これでプーリーの組み立ては終わり。
プーリーをクランクシャフトへ崩さずに挿入する。ボスを入れてランププレートを指で押さえながらやるとうまくいきます。
作業は終盤。次はVベルトだ!
Vベルトも向きあり、表面の矢印に刻印を回転方向へ合わせる。
そんで、ベルトをドリブンへ押し込む。この時ムーバルブドリブンがいっぱいに開いたところまで押し込むこと、後の作業へ影響するので確実に!
押し込む時のポイントは、ムーバルブ側を思いっきり手の力で開くこと。125ccクラスだとセンタースプリングは柔らかい方なのであんまり力はいらない。はず…。
あとは、フェイスとアウターをはめ込みナットを締め付けるだけ!
プーリー側ナットを50n・mで締め付ける。
ここでの注意点は、プーリーフェイスをスプラインの溝に合わせボスに当たるまで奥に押し込むこと。
これはVベルトを挟んで締め付けないようにするため。続いて、ドリブン側を75n・mで締め付け、カバーを元に戻せば作業は終了。
Vベルトを新品に交換した場合、最初の数キロは急発進や急坂を上るような高負荷は避けた方が良い。
ある程度慣らしをしないとスリップのもとになるので、できるだけ静かに発進して慣らすことが重要です。
次の整備
スズキ アドレスV125 駆動系 プーリーケースフィルター交換