バイクで一人旅 四国編 その9
昨日は観光したので今日はまた市内散策に出かける。20年経つと外観が変わって、何処が何処だか分らなくなる。せめて20年前の地図があればなぁ…
新しくできた道路から外れて細い道に入る、奥に進むと何やら見たことのある道と家がある。
これはもしやと思い訪ねてみることに、家の方が見えたので声をかける。
「すいません、Aさんでしょうか?」
家の方「はいそうです」
やっぱり間違いない、ここは仲の良かったA君の家だ。すかさず「A君は居ますでしょうか?」と聞く。
「いまはいませんよ」と返事が返ってくる。そりゃそうだ平日だしサラリーマンはみんな仕事だ。
この後自分が何者で、どんな経緯でここに来たかを説明した。家の方(一目でわかったがこの方はA君のお母さん)は自分のことを覚えてくれていた。
覚えてくれて本当にうれしい、家に上がらせてもらってA君のお母さんが卒業アルバムを持ってきてくれた。
早速ページをめくる、見ていると友達の写真が載っていてとても懐かしく思う。自分もこの小学校を卒業して、アルバムに載りたかったが転校したので無理だった。
写真がなくここに載ってない人は、おそらく引っ越しでどこかへ行ったんだろう。いなくなってしまったと思うと寂しく感じる。
A君は今どうなっているかを、お母さんから教えてもらった。地元の企業に就職して、現在は転勤で関東にいると聞き、これだと今会うことはできなくて残念。
その後、長居しても迷惑になるので連絡先をメモに書き残し、お礼を言い去ることにした。まさかここに来れるとは思ってもいなかったから結構驚いた。余談だがA君のお父さんに一度も会ったことがない、子供の頃よく遊びに家に行ってその時も姿を見ることはなく、今日もお出かけをしているようで会うことはなかった。何か変な力でも働いてるのか?
土佐市と清流仁淀川
高知市から1時間ぐらい、キャンプ場からだと30分ぐらいの所に位置する。何があるかというと、四万十川に続く清流仁淀川、後はばあちゃんち(母方の)ぐらいかな。
夏休みになると連れて行ってもらって、仁淀川で泳いだりBBQをしたりとここも思い入れがある。
真夏でも水温が低く、入って遊ぶ事もできない年があったり、流れが速く水面に渦ができたりと場所を考えないと危なかったりする。基本的に浅瀬で遊んで、潜るときはゴーグルの内側に、そこら辺に生えているヨモギの葉っぱを擦ると曇り止めになるのでそれを使っていた。
こういった知識はおじいちゃんからすべて遊びながら教えてもらっていて、知恵はこうやって受け継がれていくんだなぁと思う。
一応おばあちゃんちを尋ねるか考えたが、この頃お母さんとの仲が良くなかったので辞めておいた。でも家を拝むぐらいはしておこうと思いひとまず祖母宅へ。
丁度家の前を通りすがったとき、偶然家に入る祖母を見かけた。玄関を閉めるときこちらを見ていた、元気そうで一安心する。少し前まで病気で入院していたのは知っていたが、その後はどうなったかを知らなかったのだ。
土佐も新しいスーパーができたり道も広くなったり、結構開発が進んでいる。でも、サンシャインポプラ店やらホームセンターのリッチは昔のまんま、あの当時のままだ。
サンシャインでご飯(いくらと白飯)を買い、サニーマートで高知名物ぼうしパンを買った。これのふちがおいしくて、ふちばっかり先に食べていた。
そろそろ潮時か
天気予報は明後日からしばらく雨模様、寒くもなるだろうし名残惜しいがここから引き揚げる。
いま思い起こせばいろんなことがあった、いろんな人と出会った、語彙の少なさも相まって言葉では表現できないが、ものすごく良い経験をしたと思う。こんな自分でも行動に移せばやれるんだと、ちょっとした達成感とわずかな自信が付いたことを感じた。
四国での旅で見たこと感じたことは、一生忘れることはないだろう。これで旅は終わりではない、家に帰ることがまだ残っている。