通勤にツーリング、峠で走っても楽しくチューニングも面白い2STマシン
ヤマハ RZ50を紹介します
2ストローク ロードスポーツ ヤマハ RZ50
RZ50はヤマハ2ストローク車の顔ともいえるRZの名を引き継いでいる。RZ50(以下RZ)はその一番小さい排気量車だ。
80年代に販売されていた旧型とは違い、このモデルは98年から販売された新型となる。RZには3機種あり、型式が5FC1、5FC2、5FC3で初期型、中期型、最終型だ。
愛車にしているのは5FC2の中期型、排ガス規制を受けたモデルとなりチャンバーに触媒、2次エア導入とキャブ、CDIの設定や調整がなされている。
販売価格は約28万円と原付にしては高額、しかし2スト車という事と豪華な装備を考えるとそれ以上に価値がある。
排ガス規制を受けながらも販売を続けていたが2007年をもって生産終了となった。国内で最後の最後まで販売された2スト車となりRZシリーズは幕を閉じた。それは、2スト車が全メーカーのカタログから姿を消した瞬間でもある。
では、各部を見て行こう!
フロント足回り
フロントフォークは、直径は小さすぎずストロークも十分に確保され峠に行っても不満はない。
ダンパーの効きは良好だ。タイヤサイズは70/100―17。
ブレーキは異径2PODキャリパーを搭載しストッピングパワーは申し分ない。その気になればジャックナイフできる。コントロール性も良し。
メーター周りは各種インジケーターとスピード、タコメーター。
後付けでPOSH製の水温計を付けている。
2ストロークエンジンは軽量でハイパワー
エンジンは7.2馬力を発生する水冷2ストローク単気筒。
フルノーマルであれば、低回転で強烈なトルクのおかげで出だしは速い。
そのまま回転数が上がるにつれてスピードが増す。中速域を出るとリミットまでもたついてしまう。これは規制の影響と低回転重視の味付けによるもの。
高回転で爆発的なパワーを見せる2ストらしくないエンジンはちょっと残念、しかしここは社外品を組めば楽に解消できる。
ミッションは非常に珍しい6速を採用、4速5速がクロス気味でここをよく使えば峠で楽しく走れる。6速はオーバードライブで60キロ以上速度が出てないと使えない。
吸気系はミクニの16mm口径のキャブレターに、低回転域でトルクを補うインテークチャンバーを搭載。ケースリードバルブ方式で、純正は樹脂製のリードバルブが付いている。
チューニングして速さを求めるなら、口径を20mmや24mmへ換装、カーボンリードバルブへの交換が必要になってくる。
リア足回り
リアショックはカンチレバー式サスペンション。町乗りなら、可もなく不可もなくと言ったところ。
峠に出て負荷をかける走りをすると、柔らかすぎてリア下がりになり結構乗りづらい。リアサスは社外品は皆無で自分で何か加工するしかない。
タイヤサイズは80/90―17。細身のタイヤで左右への切り返しはすごくやりやすくて、バンクスピードも相当速い。IRC(井上ゴム工業)製のタイヤは、扱いやすい反面グリップ力にやや劣ると思う。滑りやすいけど滑り出しは緩やかでコントロールしやすい。
自分の中ではこのタイヤは気にっている。実に面白い。
外装
10ℓの長いタンクに小さいシングルシート、リアはダックテールと昔のレーサーを彷彿とさせる外観。
色はラジカルホワイト、タンクのストロボカラーが往年のTZを思い出させる。最後まで生産され、カラーリングには熱い時代に活躍したTZカラーを施し、細部まで作りこまれたRZ。開発者、設計者の2スト好きが読みとれる貴重な1台だ。
シート下の小物入れは書類と車載工具が入っている。
容量は少なくほとんど物は入らない。
気になる燃費
2ストと聞くと、燃費が悪いと思いがちだがそれは古い車種に限られている。比較的90年代、00年代に作られた小排気量車種は燃費は悪くない。
町乗りでリッター20後半から30ぐらい、ツーリング時は30後半をキープする。6速を多用できれば40半ばまで伸びる。数値は純正でなく、ある程度チューニングを施した車両ではあるがそれでもいい結果を残している。
加えて10ℓのタンクで航続距離は最低でも400キロ近くは確保できる。長距離を走る自分には頼もしい。
走ってイジって超楽しいRZ
各部をざっくり見てきたが、ヤマハの本気の作りこみで全体的にまとまっていて乗りやすい。今となっては新車で買えないのが残念、しかしバイクとは何なのか、2輪車特有の挙動やメンテナンス等々基礎的な部分をしっかりと学べる良い教材になるバイクだと思う。
2ストローク車は、今後数を減らしいつか絶滅するだろう。ネガティブになりそうだが、この先もガンガン走ってどんどん道を進んで行こうと決めている。
パーツも少し欠品が出ているけど、走らせないのはもったいないしバイクも傷んでしまう。バイクは走るために生まれた機械なのだ。
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